10分で理解するヒカキン

今のネット社会においてYoutubeはなくてはならない存在になりましたよね。

多くの若者はテレビではなく、Youtubeから情報を仕入れるようになり、

子供のなりたい職業の３位にYoutuberがあげられるほどになっております。

それだけ、今の若い世代にとっては芸能界と同じカテゴリーになっておりまして、

カメラ１つでできる手軽さから、Youtuberを目指して動画をあげる

中高生も多くなっております。

私のような中高年の世代から見て、この傾向は危なげに見えますし、

ネットをここ最近から知った人間だとどうしてこんな時代になったのか

というのが想像もつかないと思ってしまいますよね。

かくゆう私自身はYoutubeなどの動画サイトの始まりというのも知っておりますし、

インターネットではなく、パソコン通信と呼ばれていた以前の

３０年以上のPCキャリアですので、そこに至るまでの一連の

動画サイトなどの流れについて知っております。

私自身も実験動画をアップしている身として、Youtuberとしての現実も

Youtuberができた経緯から知っている人間だったりします。

それを踏まえたうえで、Youtubeとはなんぞや？というところを

ちょっとかいつまんで説明してみたいと思います。

実はYoutubeがここまで有名になる前に日本のオタク層の遊び場だった

動画サイトがありまして、それがニコニコ動画だったわけです。

さらに言ってしまうと、おもしろ動画の始まりは約２０年ほど前にさかのぼります。

当時は音ゲーと呼ばれるアーケードゲームが盛んな時代で、

当時大学時代だった私も狂ったようにやっておりましたね。

その流れでPCの世界においてその音ゲーをつくろうとする動きがありました。

その有志達によってつくられたのがBM９８というゲームで、

これはあのビートマニアをPCでやることができる無料のソフトでした。

しかもこの曲データを自由に作れるということもあり、

いろんな人たちがいろんな曲をつくるようになったわけです。

もちろん、最初は知っている曲のカバーだったのが大きな広がりとなり、

この曲データを使って、MADと呼ばれるアニメなどのパロディを作る人が出てきたわけです。

元々、MADと呼ばれる文化はオタクの中でありました。

でもそれはDATと呼ばれる編集機器が必要で音響の技術に通じている人しか

つくることができず、高校の放送部の子たちが細々とつくって

内輪で笑う程度でしかなかったんですね。

実は北海道内でMADの祖と呼ばれるファティマベータさんという方が

８０年代に「いかがわしいテープ」というものをつくって広まった例もありますが、

これも知る人ぞ知るオタクなテープの１つに過ぎなかったんですね。

そういう意味ではインターネットという媒体を使うことで

おもしろ動画を表現して発信することができたという意味では

当時としては非常に画期的で多くのMADがネット上に発信されたんですね。

その後、BM９８に代わり、出てきたのがフラッシュアニメと呼ばれるもので、

２ちゃんねるが生まれたことにより、そのAAAキャラクターとともに

多くのフラッシュアニメがつくられることになります。

その要因はgifと呼ばれる形式により、簡単にアニメが作れることに端を発しており、

さらにフラッシュアニメをまとめたサイトも多く出現したことにも起因しております。

こうして、BM９８からフラッシュアニメと面白いものを表現し、発信する

という面白さを学習したオタクたちは次なるサイトでピークを迎えることになります。

それこそがニコニコ動画と呼ばれるもので、オタクたちはこぞって

動画をアップするようになります。

実はその裏でYoutubeもこっそりと出てきてはおりますが、

実はそこまでメジャーではなかったんですね。

まあ、世界的に見れば、Youtubeが主流だったのですが、

日本のオタクたちはニコニコ動画というガラパゴス状態だったんですね。

実は今、Youtuberたちがやっていることのほとんどのことは

ニコニコ動画でやっておりまして、バカッターらしきものも含めて

世界的に流れているほとんどのおバカ動画は

ニコ動にて先人たちがやっていたりしますね。

ちょっとグレーな危ないものをつくったり、危ないものを食べたり、

くだらないおバカなことを命がけでしたりというのは

今のYoutuberたちよりもちょっと無法地帯だった部分もありますね。

今でもその一端はニコ動内で検索することができまして、

その中で伝説になっている１つとして「ハイポーション動画」

というおバカ動画があります。

これは栄養ドリンクを数万円分つぎ込んで煮込んで飲む

というもので、編集や企画のうまさも含めて、

この面白さは今のYoutuberにも通じるものがあります。

さらには初音ミクの発売とともにその動画は多種多様な変化を見せ、

作曲者であるPや「演奏してみた」や「歌ってみた」や「踊ってみた」などで

CDデビューをしてプロになった人も多く出るようになったんですね。

それを見て大きくなったのが今の２０代以降の世代でありまして、

ちょうど、ガラケーからスマホへの移行期ということもあり、

多くの若者や子供がその動画を手軽に目にできるようになりました。

そのおかげで、今までリア充と呼ばれる若者文化と

そのアンダーグランドに位置していたオタク文化が見事に融合し、

若者文化の中心である中高生が動画サイトに流れていったんですね。

しかし、中高生の面白いと思う動画やボーカロイド曲と

オタクたちが勝手に遊んで楽しんでいた動画や曲にはある種の温度差があり、

結果的に中高生の志向する動画へと変貌していったわけなんですね。

さらにその動画に群がる人たちに対してお金になると皮算用した大人たちと

大きくなりすぎて運営に金銭的な必要性を感じた運営側との間に

見事な相互関係が生まれまして、商業的な意味合いで継続的にお金を生み出す

アイデアというのが生まれて、実行されることになるのですが、

そこがYoutubeとニコ動に大きな差が生まれてしまったんですね。

素人の生み出す動画やスレ主に広告を設けて、広告料を募って運営していく

という部分には大きな差はなかったのですが、

ニコ動は企業の専用チャンネルを設けて、会員を募って集金していく方式だったのに対し、

Youtubeは再生回数に応じてスレ主に広告料を分配するというシステムを取ったんですね。

つまり、ニコ動は一般のスレ主を「顧客」として会費をとる方式をとったのに対し、

Youtubeは「サポーター」として、動画自身にお金を払うというシステムにしたわけです。

その２つの視点は大きな差になりました。

ニコ動では通常は低画質で再生され、高画質の動画や長時間の中継には

いくばくかのお金が必要ですが、Youtubeはほぼ無制限で無料になっておりますし、

ニコ動の場合は企業のチャンネルを登録するにはお金がかかりますが、

Youtubeはどんなチャンネルでもお金がかかりません。

それだけでもYoutubeに流れる要因としては十分だったのですが、

一番大きな差は動画をアップすることによって自分の収益になるというところなんですね。

つまり、お金を出して動画をアップする時代から、

動画をアップすることで収入が得られる時代に変わったんですね。

これは動画をつくる人にとってのいわばパラダイムシフトになってしまいまして、

それが結果的にYoutuberと呼ばれる人を生み出すきっかけになったわけなんですね。

とは言え、Youtuberは職業としてはまったく成立していない部分がありまして、

動画をアップするだけで楽に儲かるという甘いものではありません。

まず、カメラがあれば動画をアップすることができるのが手軽かと思いきや

実はそこにはアイデアと工夫が必要でありまして、

誰もが動画をアップできる分、競争率もべらぼうに高いってことなんですね。

そもそも、広告料を分配できる資格がある動画というのが

年々厳しくなっておりまして、今期から最低でもチャンネル登録１万　

再生数１０万という条件が加算されました。

それによって、普通のレベルの動画ではお金はまったく入らなくなってしまったんですね。

実はそのくらいの再生数を継続するにはかなりの工夫やアイデアが必要で、

編集の技術もさることながら、スレ主本人の面白さも必要になってきます。

実はニコ動時代においては顔も声も出さないで写真ややっている動画を

編集して、ゆっくりという読み上げソフトに読ませるというのが主流だったのですが、

ヒカキンなどのYoutuberの出現により、本人の顔と声をしっかりと出して、

その本人のしゃべりと進行で成り立つ動画が主流になりました。

それによって、やっている内容そのものもさることながら、

スレ主自身の外見や声、キャラクターの面白さが再生数の要因になってしまったんですね。

そこに芸能人も参入することで、なおのこと自分なりの

他の動画と違う武器が必要になったわけなんですね。

つまり、有名なYoutuberの陰には自分の武器と見せ方を研究しており、

そのパイオニアになっている人が最低条件としてありまして、

そこには能力とセンスが大きく必要になってくるわけなんですね。

それを継続して出し続けないといけないわけでありまして、

根気と努力も同じだけ必要になってくるんですね。

ネタになる商品だって買い続けないといけませんし、

継続してやるということはそれだけ準備にお金が必要になってくるんですね。

やっていること自体はだいたいニコ動でやりつくしている感がありまして、

やりつくしてつまらないことをいかに魅力的に見せられるかが勝負なんですね。

実はそこには大きなリスクもありまして、

キャラクターを見せるということは個人情報をさらけ出すということであり、

それはつまり世界中に自分のプライベートな部分を公開するってことなんです。

声優さんやアイドルなどの芸能人の場合は自分の切り売りすべき部分と

プライベートな部分を切り離して、切り売りする部分に関しては事務所が管理する

ことで徹底した情報管理がなされたうえでテレビなどに出ておりますし、

どの部分を切り売りして、どの部分を公開しないかという部分に関して

はっきりとした線引きがあって活動しておりますが、

一般に動画をアップする人においてはそこはまったくの自己責任ですし、

その部分があいまいなまま動画をアップする人も多くいます。

そうなってくると、視聴者の中にはちょっとした動画の中からプライバシーの部分を

見つけ出すのに力を入れている人もおりまして、

住所や家族構成や通っている学校や交友関係などを見事に突き止められて、

ストーカー被害や犯罪などに巻き込まれるリスクも多くなっていくわけです。

特に子供や若い女の子が動画をアップする場合、

視聴者の中には勝手に恋愛感情を抱いて

勝手に付き合っているという妄想までし始めたり、性犯罪をたくらむ人も出てくるわけで、

結果的に犯罪に巻き込まれるリスクが高くなってしまうんですね。

実は昔のオタク文化の流れで動画をアップしている人たちは

その辺の対策は十分にとっていて、オープンにすることをためらうものですが、

今の中高生の子たちはその辺の意識がまったくないまま、

オープンしちゃいけないところまで、オープンにして世界中に発信している子が

多かったりするので、私のようなおじさんから見るとめちゃくちゃ危なく感じるんですね。

特に女の子の場合、特に面白いアイデアがなく可愛さだけで再生数を伸ばしていた子は

もれなく、いろいろきわどい動画になっていく傾向があるので

おいおいと思ったりもしますしね。

なので、私の動画の場合は一切顔出しはしていないのですが、

それだと、ニーズに合っていないので再生数は伸びないわけで、

私の場合はそれはそれでいいかなって思っていますね。

つまり、動画投稿に関しては趣味の範囲内でやっていくのが正解でありまして、

Youtuberとして生活していくにはハイリスク、ローリターンでして、

万馬券を握りしめてギャンブル生活をすることと同じことなんですね。

そんなわけで今日のひとりごとでした。